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はるおは学生の頃、とある地方のTV局でADさんのようなバイトをしていました。

重い荷物を運ぶことが多い体育会系の仕事でしたが、はるおは女子にしては力も体力もあります。

結構口の悪いカメラマンさんなんかも多かったですが、それでもはるおは、気を使ったり陰で言われたりするよりも、ダメならその場で言われる方が好きなタイプだったようです。

怒られたとしても一旦その時間が過ぎてしまえば、普通に話せるタイプの人間でした。

テレビ局で働いている方は高学歴な方が多く、話も知的でしたし、優しいお父さん的な人もいました。

今思えば、もっと学べることがあった職場でしたから、記者さんやカメラマンさんからたくさんお話を聞いておきたかったなと思うこともあります。

そして、その環境に対してもっと感謝があってもよかったなと、当時学生だったはるおに、おばさんになったはるおは思ったりもします。

何も持たざるはるおに対して、それほど歳は離れていませんでしたが、大人は明らかにたくさんのギブをしてくれました。

そのTV局には東大卒の方も何人かいらっしゃいました。

その中の1人の方となんとなくウマがあって、取材の出張に同行させていただいたりしました。

学生としては、とてもありがたい経験をさせていただきました。

その人が真剣な顔で言ったのです。「俺は人生で一度言ってみたいセリフがあるんだ‥。」

「ほう‥、なんです。」と聞くはるお。

「『えーい、ままよ!』って言ってみたいんだよね!」

「なるほどー!確かに聞いたことはあるけど、使うことはありませんね。私も言ってみたいです!」

「だよねだよねー」(キャッキャ)

と取材がない休日などは、こんな感じで過ぎていったのです‥。

今思うと楽しかったなぁ。